人生のエンディングに向けて準備を進める「終活」。いざ始めようと思っても、「何から手をつければ良いのかわからない」と、途方に暮れてしまう方も少なくありません。
ご安心ください。この記事では、いくつかの質問にチェックを入れていくだけで、ご自身に必要な終活のタスクが自然とわかるチェックリストをご用意しました。
専門的なツールやアプリは不要です。このページを読みながら、ご自身の状況と照らし合わせてみてください。チェックがつかなかった項目が、あなたの「これからやることリスト」になります。
なぜ終活が必要なの? まずは悩みを確認

終活を始めるきっかけは人それぞれですが、多くの方が同じような不安や悩みを抱えています。
- 残される家族に迷惑をかけたくない
- 自分の財産をどう整理すれば良いかわからない
- 医療や介護について、自分の意思を伝えておきたい
- 葬儀やお墓のことを、誰に相談すればいいのだろう
こうした不安は、やるべきことを一つひとつ整理し、具体的に行動することで、少しずつ解消していくことができます。このチェックリストが、その第一歩となれば幸いです。
さあ、あなただけの「やることリスト」を作りましょう

それでは、早速チェックリストを始めましょう。
気になる項目、自分に関係がありそうな項目にチェックを入れてみてください。印刷して手書きでチェックするのもおすすめです。
第1章:基本の準備と自分のこと
まずは、終活の土台となる基本的な情報の整理から始めます。
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エンディングノートを用意した- > 自分の情報や希望を書き留めるノートです。法的な効力はありませんが、家族が手続きをする際の手がかりになります。市販のノートや普通の大学ノートでも構いません。
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重要書類の保管場所を決めて、家族に伝えた- > 年金手帳、保険証券、不動産の権利証、預金通帳などを一か所にまとめておきましょう。
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実印や銀行印の保管場所を整理した- > どの印鑑が何に使われているかをメモしておくと、さらに親切です。
第2章:お金・財産のこと
トラブルになりやすいお金のこと。明確にしておくことで、家族の負担を大きく減らせます。
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預貯金口座のリストを作成した- > 銀行名、支店名、口座番号を一覧にしておきましょう。ネット銀行も忘れずに。
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有価証券(株、投資信託など)のリストを作成した- > 証券会社名や担当者、ログインIDなどを記録しておきます。
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不動産(土地、家屋)の情報をまとめた- > 登記済権利証(または登記識別情報)の場所を明確にしておきましょう。
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生命保険・損害保険のリストを作成した- > 保険会社名、証券番号、受取人を一覧にします。
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借入金やローン(住宅、車など)の情報をまとめた- > プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も正確に記載することが重要です。
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クレジットカードや電子マネー、サブスクリプションサービスのリストを作成した- > 解約が必要なサービスを一覧にしておくと、死後の不要な出費を防げます。
第3章:健康・医療のこと
ご自身の意思を尊重してもらうために、元気なうちから意思表示をしておくことが大切です。
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かかりつけ医や持病、服用中の薬の情報をまとめた- > 診察券やお薬手帳をまとめておきましょう。
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介護についての希望を伝えた(または書き留めた)- > 自宅で過ごしたいか、施設に入りたいかなど、具体的な希望を記しておきます。
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延命治療に関する希望(尊厳死)を意思表示した- > リビング・ウィルを作成するなど、意思を明確に示しておく方法があります。
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臓器提供(ドナー)の意思表示をした- > 健康保険証の裏面や意思表示カードなどで意思を示すことができます。
第4章:人間関係とデジタル遺品のこと
大切な人への想いや、現代ならではのデジタル情報の整理も重要な終活の一部です。
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家系図を作成した- > 親族関係を明確にすることで、相続などの手続きがスムーズになります。
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連絡してほしい友人・知人のリストを作成した- > 氏名、連絡先、自分との関係性を記しておきます。
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ペットの将来について託す相手を決めた- > 飼育費用なども含め、お願いする相手に事前に相談しておくことが理想です。
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パソコンやスマートフォンのパスワード情報を記録した- > 家族が見つけられる安全な場所に保管し、その場所を伝えておきましょう。データのバックアップや不要なデータの削除も検討します。
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SNSアカウントの取り扱いを決めた- > 死後にアカウントをどうしてほしいか(削除、追悼アカウント化など)を書き留めておきます。
第5章:葬儀・お墓のこと
ご自身の最後のセレモニーに関する希望をまとめておきましょう。
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葬儀の形式や規模についての希望を決めた- > 家族葬、一般葬、一日葬など、具体的な希望を伝えておきます。宗教・宗派についても記しておきましょう。
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遺影に使ってほしい写真を選んだ- > 家族が写真選びに悩まなくて済むよう、お気に入りの一枚を指定しておくと喜ばれます。
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お墓についての希望をまとめた- > 既にあるお墓に入るのか、新しく建てるのか。あるいは樹木葬や海洋散骨など、希望の埋葬方法を記します。
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納骨してほしい場所を決めた- > 具体的なお寺や霊園名などを記載しておきます。
診断お疲れ様でした。次は何をすべき?

チェックリスト、いかがでしたでしょうか。
チェックがつかなかった項目が、今のあなたに必要な「終活やることリスト」です。
すべてを一度にやろうとすると大変です。まずは「これならすぐにできそう」と思える簡単な項目から、一つずつ手をつけてみてください。エンディングノートを1冊買ってみる、通帳を1か所に集める、それだけでも立派な終活の第一歩です。
もし、財産や相続など専門的な知識が必要な項目で手が止まってしまったら、一人で抱え込まずに専門家へ相談することも検討しましょう。
「終活の窓口」は、あなたのこれからの人生がより豊かになるよう、心から応援しています。