「おじいちゃんが亡くなったんだけど、遺産ってどれくらいになるんだろう?」「孫の私に何か残してくれるのかな?」
この記事では、祖父の遺産を孫が相続する場合の平均額や、孫が相続できるケース、相続税についてなど、気になる情報をまとめました。
もしかしたら、あなたも祖父母の遺産相続の当事者になるかもしれません。遺産相続は、法律や税金など、専門知識が必要となる場面も多いので、事前に正しい知識を身につけておくことが大切です。
この記事を読めば、祖父の遺産相続について、基本的な知識を身につけることができます。ぜひ最後まで読んで、疑問を解消してくださいね。
- 祖父の遺産の平均額は約3,273万円、中央値は約1,600万円である。
- 孫が祖父の遺産を相続できるケースは、代襲相続と遺贈の二つである。
- 代襲相続の場合、孫は親が相続するはずだった分の遺産を相続する。
- 遺贈の場合、孫は遺言書に記載された通りの遺産を相続する。
祖父の遺産を孫が相続する場合の平均額は?

祖父・祖母の遺産、平均額は?
おじいちゃんやおばあちゃんが亡くなった後に残してくれた遺産、気になりますよね。一体どれくらいの額になるのか、平均値を知っておくと、心の準備ができるかもしれません。
MUFG資産形成研究所の調査によると、2020年時点での相続財産の平均額は約3,273万円、中央値は約1,600万円という結果が出ています。(※1) 中央値というのは、データを小さい順に並べたときに真ん中にくる値のことです。
あれ?平均値と中央値に結構差があるぞ?と思った人もいるかもしれませんね。これは、一部の人がすごく高額な遺産を相続している一方で、多くの人は1,000万円〜2,000万円くらいの遺産を相続しているという状況を表しています。
具体的にどのような財産が相続されることが多いのでしょうか?一般的には、不動産(土地や建物)、預貯金、有価証券(株式や投資信託)などが主な相続財産となります。
不動産は、自宅や別荘、賃貸物件など、その種類や立地によって評価額が大きく異なります。例えば、都心の一等地にあるマンションと、地方の郊外にある一戸建てでは、評価額が大きく異なるのは想像しやすいでしょう。
預貯金は、普通預金や定期預金など、金融機関によって金利やサービス内容が異なります。また、近年では、インターネット銀行の利用も増えており、相続手続きの際に、どの金融機関に口座があるのかを把握しておくことが重要になります。
有価証券は、株式や投資信託など、市場の動向によって価格が変動します。そのため、相続が発生した時点での時価で評価する必要があります。
相続財産の評価額は、相続税の計算にも影響します。相続税は、遺産総額から基礎控除額を差し引いた金額に対して課税されます。基礎控除額は、法定相続人の数によって異なります。
例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円(3,000万円+600万円×3人)となります。つまり、遺産総額が4,800万円以下の場合は、相続税はかかりません。
遺産総額が基礎控除額を超える場合は、超過分に対して相続税が課税されます。相続税の税率は、超過分の金額によって異なります。
相続税について詳しく知りたい方は、国税庁のホームページなどを参考にしてください。
一般家庭における遺産相続、平均額は?
「うちは一般家庭だし、そんなに高額な遺産は残っていないんじゃないかな…」
そう思っている人もいるかもしれません。確かに、一般家庭の場合、財産の大部分は自宅などの不動産と預貯金で、株式や投資信託などの金融資産は少ない傾向にあります。
しかし、一般家庭だからといって、相続税の心配が全くないわけではありません。特に、首都圏など地価の高い地域に住んでいる場合は、不動産の評価額が高くなるため、遺産総額が数千万円に達することも珍しくありません。
例えば、東京都内に自宅を所有している場合、その評価額は数千万円になることも珍しくありません。また、親の世代が長年かけて貯蓄してきた預貯金も、数百万円から一千万円を超えることもあります。
これらの財産を合計すると、遺産総額が相続税の基礎控除額を超えてしまう可能性も十分にあります。
相続税の基礎控除額は、前述の通り、法定相続人の数によって異なります。例えば、法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円となります。
もし、遺産総額が5,000万円だった場合、基礎控除額を超える200万円に対して相続税が課税されます。
相続税の税率は、課税対象額によって異なりますが、最低でも10%です。つまり、このケースでは、少なくとも20万円の相続税を支払う必要があります。
一般家庭だからといって、相続税の心配をせずに済むとは限らないので注意しましょう。
遺産相続額は?知恵袋でよくある質問
遺産相続について疑問に思ったとき、Yahoo!知恵袋などのQ&Aサイトで調べてみる人も多いのではないでしょうか?
知恵袋でよく見かける質問としては、
- 「父親が亡くなりました。遺産はどれくらいになるのでしょうか?」
- 「母親が亡くなりました。相続人は私と兄の二人です。どのように遺産分割すれば良いでしょうか?」
- 「祖父母が亡くなりました。孫である私に相続権はありますか?」
などがあります。
これらの質問に共通するのは、「自分のケースでは遺産をどれくらい相続できるのか知りたい」というニーズです。遺産相続は、法律や税金など複雑な要素が絡み合っているので、専門家ではない人が自分で判断するのは難しいですよね。
知恵袋などのQ&Aサイトでは、一般のユーザーが自分の経験や知識に基づいて回答しています。そのため、必ずしも正しい情報とは限りません。また、質問の内容によっては、個人情報やプライバシーに関わる情報が含まれている場合もあります。
遺産相続について疑問に思ったときは、知恵袋などのQ&Aサイトだけでなく、信頼できる情報源を参考にしましょう。例えば、弁護士や税理士などの専門家に相談したり、国税庁のホームページで相続税について調べたりすることができます。
一人っ子における遺産相続、平均額は?
一人っ子の場合、兄弟姉妹がいないため、遺産を独り占めできると思いがちですが、必ずしもそうとは限りません。
もし両親が健在であれば、まず一次相続で両親が遺産を相続し、その後、子供が両親の遺産を相続するという流れになります。
また、祖父母の遺産を相続する場合でも、祖父母に配偶者や他の子供がいた場合は、遺産分割協議を行う必要があります。
一人っ子だからといって、必ずしも多くの遺産を相続できるとは限らないので注意しましょう。
祖父の遺産、孫が相続できるケースと割合は?

孫が相続人になるケースとは?
「おじいちゃんの遺産、もしかしたらもらえるのかな…?」
そう思っている人もいるかもしれません。民法で定められた相続のルールでは、基本的には、遺産を相続できるのは配偶者と子供、そして子供がすでに亡くなっている場合は孫です。
つまり、孫が遺産を相続できるのは、自分の親がすでに亡くなっているなど、限られたケースのみとなります。これを「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」と言います。(※2)
代襲相続は、被相続人の直系卑属(子、孫、ひ孫など)に認められる権利で、本来相続するはずだった人がすでに亡くなっている場合に、その子供や孫が代わりに相続することができます。
例えば、祖父が亡くなった場合、本来であれば子供が相続人となります。しかし、子供がすでに亡くなっている場合は、その子供が相続するはずだった分の遺産を、孫が代襲相続することができます。
代襲相続は、相続人の範囲を広げ、被相続人の意思を尊重するための制度です。
遺産相続で孫がもらえる割合は?
代襲相続の場合、孫は本来親が相続するはずだった分の遺産を相続します。
例えば、祖父の遺産を相続する場合、本来であれば父親が1/2の遺産を相続するはずだったとします。しかし、父親がすでに亡くなっている場合、その1/2を子供が代襲相続することになります。
代襲相続の割合は、被相続人と相続人の関係によって異なります。詳しくは、以下の表を参考にしてください。
相続人 | 法定相続分 |
---|---|
配偶者のみ | 100% |
配偶者と子1人 | 配偶者:1/2、子:1/2 |
配偶者と子2人 | 配偶者:1/2、子:1/4ずつ |
配偶者と父母 | 配偶者:2/3、父母:1/6ずつ |
子のみ(2人) | 1/2ずつ |
父母のみ | 1/2ずつ |
遺産相続、子供が死亡している場合の孫の相続
子供がすでに亡くなっている場合、孫は代襲相続によって遺産を相続することができます。
代襲相続は、被相続人の直系卑属(子、孫、ひ孫など)に認められる権利です。
代襲相続が発生すると、孫は本来親が相続するはずだった分の遺産を相続することができます。
例えば、祖父が亡くなった場合、本来であれば子供が相続人となります。しかし、子供がすでに亡くなっている場合は、その子供が相続するはずだった分の遺産を、孫が代襲相続することができます。
代襲相続は、相続人の範囲を広げ、被相続人の意思を尊重するための制度です。
遺産相続、子供が二人いる場合
子供が二人いる場合、遺産は子供二人で均等に分割するのが一般的です。
ただし、遺言書で特定の子供に多く遺産を相続させるように指定されている場合は、その指示に従うことになります。
また、子供が二人ともすでに亡くなっている場合は、それぞれの子供が相続するはずだった分の遺産を、孫たちが代襲相続することになります。
祖母の遺産、平均額は?
祖母の遺産の平均額は、祖父の遺産と同様に、所有している財産の種類や評価額によって大きく異なります。
一般的に、女性の方が平均寿命が長いため、一次相続で夫の遺産を相続し、その後、子供が母親の遺産を相続するというケースが多いです。
この場合、子供が相続する遺産の額は、母親が相続した夫の遺産の額に影響されます。
例えば、夫の遺産が1億円だった場合、妻がその1億円を相続し、その後、子供がその1億円を相続するという流れになります。
孫の遺産相続、割合は?
孫が遺産を相続する場合、その割合は代襲相続か遺贈かによって異なります。
代襲相続の場合は、親が相続するはずだった割合をそのまま相続します。遺贈の場合は、遺言書に記載された割合を相続します。
3000万円の遺産にかかる相続税は?
3000万円の遺産にかかる相続税は、相続人の数や控除額によって異なります。
相続税の基礎控除額は、「3,000万円+法定相続人の数×600万円」で計算されます。
例えば、相続人が3人であれば、基礎控除額は4,800万円となり、3,000万円の遺産には相続税はかかりません。
しかし、相続人が1人であれば、基礎控除額は3,600万円となり、3,000万円の遺産でも相続税がかかる可能性があります。
相続税の計算は複雑なので、専門家に相談することをおすすめします。
祖母の遺産を孫が相続できるケースは?
祖母の遺産を孫が相続できるケースは、主に以下の2つのケースです。
- 代襲相続:母親がすでに亡くなっている場合
- 遺贈:遺言書で孫に遺産を相続させるよう指定されている場合
代襲相続の場合は、母親が相続するはずだった分の遺産を、孫が代わりに相続することができます。
遺贈の場合は、遺言書に記載された内容に従って、孫が遺産を相続することができます。
遺産相続の平均額は?
遺産相続の平均額は、前述の通り約3,273万円です。ただし、これはあくまで平均値であり、実際の相続額は個々のケースによって大きく異なります。
遺産相続の額は、被相続人が所有していた財産の額や種類、相続人の数などによって異なります。
まとめ
今回は、祖父・祖母の遺産相続について、平均額や孫が相続できるケースなどを解説しました。
遺産相続は、法律や税金など専門的な知識が必要となる場面も多いので、疑問に思ったことは早めに専門家に相談するようにしましょう。
まとめ
- 祖父・祖母の遺産の平均額は約3,273万円、中央値は約1,600万円
- 一般家庭の遺産相続では、不動産と預貯金が主な相続財産となる
- 遺産相続額は、知恵袋などのQ&Aサイトだけでなく、信頼できる情報源を参考にする
- 一人っ子でも、両親が健在であれば、まず両親が遺産を相続する
- 孫が遺産を相続できるケースは、代襲相続と遺贈の二つ
- 代襲相続とは、子供がすでに亡くなっている場合に、孫が代わりに相続すること
- 遺産相続で孫がもらえる割合は、代襲相続か遺贈かによって異なる
- 3000万円の遺産にかかる相続税は、相続人の数や控除額によって異なる
- 祖母の遺産を孫が相続できるケースは、代襲相続と遺贈の二つ
- 遺産相続の平均額は約3,273万円だが、個々のケースによって異なる
- 遺産相続は、法律や税金など専門的な知識が必要となる場合がある
※1 MUFG資産形成研究所「退職前後世代が経験した資産承継に関する実態調査」 ※2 e-Gov法令検索 - 民法 第887条(代襲相続)