「神式の法要でお供えは何を用意すれば良いの?」「表書きはどう書く?」「仏式とは違うの?」
神式の法要のお供えについて、このような疑問をお持ちではありませんか?この記事では、「神 式 法要 お供え」に関する様々な疑問にお答えするため、お供え物の基本から、選び方、マナー、表書き、のし袋の書き方まで、詳しく解説していきます。
神道のお供えは、仏式とは異なる点がいくつかあります。この記事を読めば、神式の法要にふさわしいお供えを準備し、故人を偲び、ご先祖様を敬うことができるでしょう。
- 神式の法要のお供え物の基本(神饌)や選び方がわかる
- 神式のお供えに関するマナー(表書き、のし袋など)が理解できる
- お供え物の並べ方や、ふさわしい花の種類がわかる
- 神式の法要での、よくある質問とその回答が得られる
神式の法要のお供え物:基本

神式の法事のお供え物とは
神式の法要でお供えするものは、故人やご先祖様、そして神様への感謝の気持ちを表すものです。仏教とは異なり、神道では「御霊(みたま)」を慰め、家の守り神として迎えるという意味合いが強くなります。お供え物は、神饌(しんせん)とも呼ばれ、海の幸、山の幸、里の幸など、自然の恵みが中心となります。具体的には、お米、お酒、塩、水、野菜、果物、魚などが一般的です。これらは、神様への感謝と、故人やご先祖様への敬意を示す大切なものです。お供え物を選ぶ際は、故人が好きだったものや、季節の旬のものを選ぶと良いでしょう。
お供え物ひとつひとつに、感謝と敬意の心を込める。それが神道の大切な教えです。
神道で供えるものは何か
神道で供えるものは、基本的にお米、お酒、塩、水の4つが基本となります。これらは「神饌(しんせん)」の基本であり、神様への感謝の気持ちを表す最も重要なものです。
- お米: 日本人の主食であり、生命の源であるお米は、豊穣の象徴として最も重要なお供え物です。
- お酒: 神様と人々をつなぐものとされ、お祝い事やお祭りなどでも欠かせないものです。清酒が一般的ですが、故人が好きだったお酒でも構いません。
- 塩: 清めの意味があり、邪気を払い、場を清浄に保つために供えられます。
- 水: 生命の源であり、清浄な水は神聖なものとされています。
これらに加え、野菜、果物、魚、乾物、お菓子なども供えられます。これらの選び方にも、いくつかのポイントがあります。
- 野菜: 旬のものや、地元で採れた新鮮なものを選びましょう。
- 果物: 丸い形は縁起が良いとされ、故人が好きだった果物も喜ばれます。
- 魚: 海の幸を代表するもので、尾頭付きのものが良いとされています。鯛や鰆(さわら)などが一般的です。
- 乾物: 日持ちがするため、昆布や干し椎茸などがよく用いられます。
- お菓子: 故人が好きだったものや、季節感のあるものがおすすめです。
神式の祭壇へのお供え物
神式の祭壇は、仏式の仏壇とは異なり、祖霊舎(それいしゃ)や御霊舎(みたまや)と呼ばれるものを使用します。祭壇へのお供えは、神饌(しんせん)を基本とし、お米、お酒、塩、水を必ず供えます。これらは、神様への感謝の気持ちを表す最も重要なものです。
お供えの配置には、一定の決まりがあります。一般的には、祭壇の中央にお米、その両脇にお酒、手前中央に塩、その隣に水を配置します。さらに、野菜、果物、魚、乾物、お菓子なども供えますが、これらは、お米、お酒、塩、水の周りに配置します。
お供え物の配置は、地域や家庭によって異なる場合がありますので、事前に確認しておくと安心です。また、祭壇は常に清潔に保ち、お供え物は定期的に新しいものと交換しましょう。
神式のお供えの並べ方
神式のお供えの並べ方には、基本となる形があります。まず、三方(さんぽう)と呼ばれる台、もしくは折敷(おしき)と呼ばれるお盆を用意します。三方や折敷は、神様へのお供え物を置くための専用のものです。
- 中央: お米を盛った器を置きます。お米は、洗米したものを使いましょう。
- 右側: お酒を注いだ瓶子(へいし)や徳利(とっくり)を置きます。
- 左側: 塩を盛った器を置きます。
- 手前中央: 水を入れた水器(すいき)を置きます。
これら4つは、神饌の基本となるもので、必ず供えます。その他のお供え物、例えば、野菜、果物、魚、乾物、お菓子などは、これらの周りに配置します。
- 野菜・果物: 三方や折敷に、直接盛るか、別の器に盛り付けて供えます。
- 魚: 尾頭付きの魚は、頭を右側(神様から見て左側)に向けて供えます。
- 乾物・お菓子: 個別に器に盛り付けるか、まとめて一つの器に盛り付けて供えます。
配置の順序や細かな決まりは、地域や家庭によって異なる場合がありますので、年長者や詳しい方に確認すると良いでしょう。
神道のお供えにおすすめのお菓子
神道のお供えにおすすめのお菓子は、故人が好きだったものや、季節感のあるものが喜ばれます。また、神道では、丸い形のお菓子は縁起が良いとされています。
具体的には、以下のようなお菓子がおすすめです。
- 落雁(らくがん): 砂糖と米粉などを混ぜて固めたもので、上品な甘さが特徴です。
- おまんじゅう: 小豆餡(あずきあん)が入ったものが一般的ですが、栗や芋など、季節の素材を使ったものもおすすめです。
- 最中(もなか): 餡を薄い皮で包んだもので、香ばしい風味が楽しめます。
- 羊羹(ようかん): 小豆餡を寒天で固めたもので、日持ちがするため、お供え物に適しています。
- カステラ: ふんわりとした食感が特徴で、幅広い世代に好まれるお菓子です。
- せんべい: 塩味や醤油味など、さまざまな種類があり、日持ちがするため、お供え物に適しています。
ただし、神道では、肉や魚を使ったお菓子は避けるのが一般的です。例えば、肉まんや、魚の形をしたお菓子などは避けた方が良いでしょう。


神式のお供えに相応しい花
神式のお供えに相応しい花は、仏教とは異なり、特に決まりはありません。しかし、一般的には、白や黄色、紫などの落ち着いた色合いの花が選ばれることが多いです。
具体的には、以下のような花がおすすめです。
- 菊: 神道でもよく用いられる花で、白菊や黄菊などが一般的です。
- 百合(ゆり): 白百合は、清楚で上品な印象を与えるため、お供え物に適しています。
- 榊(さかき): 神道では、神聖な木とされており、祭壇に供えることもあります。
- カーネーション: 白や淡いピンクのカーネーションは、優しい印象を与えるため、お供え物に適しています。
- トルコキキョウ: 白や紫のトルコキキョウは、上品で落ち着いた雰囲気があるため、お供え物に適しています。
ただし、バラなどの棘(とげ)のある花や、香りの強い花、毒のある花は避けるのが一般的です。また、造花は避けた方が良いでしょう。生花が難しい場合は、プリザーブドフラワーなどを選ぶと良いでしょう。
神道の葬儀後のお供え
神道の葬儀後のお供えは、仏教の四十九日法要にあたる五十日祭まで、毎日行うのが理想です。しかし、現代では、毎日お供えをすることが難しい場合も多いため、無理のない範囲で行うことが大切です。
五十日祭までの間は、霊璽(れいじ) や 御霊舎(みたまや) に、毎日、お米、お酒、塩、水 の4つを基本としてお供えします。これらに加え、故人が好きだったものや、季節の食べ物なども供えると良いでしょう。
五十日祭以降は、霊璽を祖霊舎(それいしゃ)に納め、毎月1日、15日、お正月、お盆、故人の命日などに、お供えをします。お供え物は、五十日祭までと同様に、お米、お酒、塩、水を基本とし、その他、季節のものや故人が好きだったものを供えると良いでしょう。
神式の法要のお供え:マナー

神式のお供えの表書き
神式のお供えの表書きは、「御供」「御玉串料」「御榊料」 などが一般的です。「御供」は、最も一般的で、品物にも金銭にも使えます。「御玉串料」と「御榊料」は、主に金銭を包む場合に用いられます。
- 品物の場合:
- 表書き: 「御供」
- 下段: 姓名(フルネーム)
- 金銭の場合:
- 表書き: 「御玉串料」または「御榊料」
- 下段: 姓名(フルネーム)
「御霊前」は、五十日祭までは使用できますが、五十日祭以降は使用しないのが一般的です。五十日祭以降は、「御神前」と書くこともあります。
水引は、黒白、双銀、黄白 のいずれかの結び切りを使用します。地域や宗教・宗派によって異なる場合があるので、事前に確認しておくと安心です。
のし袋の種類や書き方って、神式と仏式で違うんですか?
はい、異なります。神式では蓮の絵柄のない白無地や専用の不祝儀袋を使い、表書きも『御玉串料』や『御榊料』など特有の書き方があります。宗派によって細かな違いもあるので、事前確認が安心ですね。
神式の法事ののし袋
神式の法事ののし袋は、白無地の封筒、または市販の不祝儀袋 を使用します。不祝儀袋を使用する場合は、蓮の絵柄がないもの を選びましょう。蓮の絵柄は仏教のものですので、神式では使用しません。
水引は、黒白、双銀、黄白 のいずれかの結び切りを使用します。地域や宗教・宗派によって異なる場合があるので、事前に確認しておくと安心です。
- 表書き: 「御玉串料」「御榊料」「御供」など
- 下段: 姓名(フルネーム)
- 中袋(中包み):
- 表面: 金額(旧字体で縦書き)
- 裏面: 住所、氏名
神道法事ののし袋の書き方
神道法事ののし袋の書き方は、以下の通りです。
- 表書き:
- 御玉串料: 最も一般的で、玉串の代わりに金銭を供えるという意味です。
- 御榊料: 榊の代わりに金銭を供えるという意味です。
- 御供: 品物にも金銭にも使えます。
- 下段:
- 姓名(フルネーム)を楷書で丁寧に書きます。
- 中袋(中包み):
- 表面: 金額を旧字体で縦書きします。(例:金壱萬円也)
- 裏面: 住所、氏名を楷書で丁寧に書きます。
注意点:
- 薄墨ではなく、濃い墨を使用します。
- 筆ペンや毛筆を使用するのが望ましいですが、ボールペンやサインペンでも構いません。
- 金額は、旧字体で書くのが正式ですが、漢数字(一、二、三など)でも構いません。
- 数字の前に「金」、後ろに「円也」を付けます。
- 中袋がない場合は、封筒の裏面に住所、氏名、金額を記入します。
神道の10年祭のお供え
10年という節目は、故人への想いを改めて感じる大切な機会ですね。心を込めたお供えで、その想いを形にしましょう。
神道の10年祭は、故人が亡くなってから10年目に行われる重要な儀式です。お供え物も、通常の年祭よりも少し豪華にするのが一般的です。
基本となる お米、お酒、塩、水 はもちろんのこと、海の幸、山の幸、里の幸 を豊富に揃え、故人が好きだったものや、季節の旬のものなども供えると良いでしょう。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- お米: 新米や、特別な品種のお米
- お酒: 清酒、故人が好きだったお酒
- 塩: 天然塩
- 水: 清浄な湧き水など
- 野菜: 旬の野菜、根菜類(大根、人参など)
- 果物: 旬の果物、丸い形のもの(りんご、みかんなど)
- 魚: 尾頭付きの鯛、鰆(さわら)など
- 乾物: 昆布、干し椎茸、するめなど
- お菓子: 落雁、おまんじゅう、羊羹など
- その他: 故人が好きだった食べ物、飲み物
お供え物の量や種類は、地域や家庭によって異なりますので、年長者や詳しい方に相談すると良いでしょう。
神式のお供えの表書きは?
神式のお供えの表書きは、「御供」「御玉串料」「御榊料」 などが一般的です。「御供」は、最も一般的で、品物にも金銭にも使えます。「御玉串料」と「御榊料」は、主に金銭を包む場合に用いられます。
- 品物の場合:
- 表書き: 「御供」
- 下段: 姓名(フルネーム)
- 金銭の場合:
- 表書き: 「御玉串料」または「御榊料」
- 下段: 姓名(フルネーム)
「御霊前」は、五十日祭までは使用できますが、五十日祭以降は使用しないのが一般的です。五十日祭以降は、「御神前」と書くこともあります。
水引は、黒白、双銀、黄白 のいずれかの結び切りを使用します。地域や宗教・宗派によって異なる場合があるので、事前に確認しておくと安心です。
Q&Aよくある質問
読者の皆さまからよくいただくご質問を、分かりやすくまとめてみました。少しでも不安の解消につながれば嬉しいです。
Q: 神式の法要で、お供え物としてふさわしくないものはありますか?
A: はい、あります。神式では、肉や魚を使った加工品(かまぼこ、ハムなど)、匂いの強いもの(ニンニク、ニラなど)、棘のある花(バラなど)、毒のある花(彼岸花など) は、お供え物としてふさわしくないとされています。
Q: お供え物のお下がりは、どうすれば良いですか?
A: お供え物のお下がりは、神様からの恵みとして、参列者で分け合っていただくのが一般的です。ただし、地域や家庭によっては、お下がりの扱い方が異なる場合がありますので、事前に確認しておくと良いでしょう。
Q: 神式の法要に参列する際の服装は?
A: 神式の法要に参列する際の服装は、喪服または準喪服 が基本です。男性は、黒のスーツに白のワイシャツ、黒のネクタイを着用します。女性は、黒のワンピースやスーツ、アンサンブルなどを着用します。アクセサリーは、結婚指輪以外は外すのがマナーです。
まとめ

今回は、神式の法要におけるお供え物について、基本的な知識からマナー、よくある質問まで幅広く解説しました。神道のお供えは、故人やご先祖様、そして神様への感謝の気持ちを表す大切なものです。この記事を参考に、心を込めてお供えを準備し、故人を偲び、ご先祖様を敬う気持ちを伝えましょう。
まとめ
- 神饌(しんせん)は、米、酒、塩、水が基本
- 海の幸、山の幸、里の幸など、自然の恵みを供える
- 故人が好きだったものや、季節の旬のものを選ぶと良い
- お供えの配置には、一定の決まりがある
- 神道では、丸い形のお菓子は縁起が良いとされる
- 肉や魚を使ったお菓子は避けるのが一般的
- 白や黄色、紫などの落ち着いた色合いの花が選ばれる
- 棘のある花や、香りの強い花、毒のある花は避ける
- 表書きは「御供」「御玉串料」「御榊料」などが一般的
- 五十日祭以降は「御霊前」は使用しない
- のし袋は白無地の封筒、または蓮の絵柄がない不祝儀袋
- 水引は黒白、双銀、黄白のいずれかの結び切り