高校生の皆さん、もしも夏に大切な人の葬儀に参列することになったら、服装で悩んでしまうかもしれません。
暑い季節にふさわしい服装でありながら、葬儀のマナーにも適っているものを選ばなければいけません。
しかし、高校生にとって葬儀の服装選びは初めての経験であることも多いでしょう。
そこでこの記事では、高校生が夏の葬儀に参列する際の服装マナーについて、詳しく解説していきます。
制服の有無や式場の立地など、シチュエーション別の適切な装いを知って、故人を偲ぶ大切な儀式に臨みましょう。
- 高校生の葬儀の基本の服装は制服、ない場合はブラックフォーマル
- 夏でもジャケットは必須、熱中症対策に下着で工夫を
- メイクや小物は最小限に、質素で品のある装いを心がける
- 火葬場の立地に応じて服装の調整を、わからない事は先生や親族に相談
高校生の夏の葬儀での服装マナーを知ろう
高校生の葬儀での基本の服装は制服
高校生が夏の葬儀に参列する際の服装ですが、基本的には制服を着用するのがマナーです。制服は学生にとっての正装であり、葬儀などのフォーマルな場に相応しい服装とされています。
もし制服に赤や緑など派手な色のリボンやタイが付いている場合は、外すのが望ましいでしょう。また、男子の場合は制服の上着を羽織り、ズボンはスラックス風のものを選びましょう。女子の場合はブラウスとスカートまたはワンピースというスタイルが一般的です。スカート丈は膝下が適切とされています。
靴下は黒、紺、白のいずれかを選び、くるぶしが隠れる丈のものを着用します。靴は革靴が最も適していますが、ない場合はスニーカーでもOKです。ただし、カラフルなデザインは避け、黒や紺などの落ち着いた色を選ぶようにしましょう。
喪服の夏のジャケットなしでも大丈夫?
「夏は暑いからジャケットは着なくてもいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、葬儀ではジャケットを着用するのがマナーです。葬儀の場では、故人への最大限の敬意を示すことが求められます。
ただし、熱中症対策も必要です。ジャケットを脱ぐ場合は、周囲に失礼のないよう配慮しつつ、上着を手に持つなどして管理しましょう。また、式場内は冷房が効いていることが多いため、ジャケットがあると体温調節もしやすいというメリットもあります。
高校生の葬式にふさわしいネクタイの選び方
男子高校生が葬式に参列する際、ネクタイを着用するケースがあります。その際は、黒一色のネクタイを選ぶのが無難です。
柄物のネクタイは避け、シンプルなデザインのものを選びましょう。また、ネクタイの素材も重要なポイントです。光沢感の強いサテン生地は、葬儀の場には適していません。 マットな質感の生地を選ぶのがおすすめです。
ネクタイを用意できない場合は、ネクタイなしでも問題ありません。その場合は、ワイシャツの一番上のボタンまでしっかり留めるようにしましょう。清潔感のある着こなしを心がけることが大切です。
高校生が葬式で着るセーターのポイント
冬場の葬式で、ジャケットの下にセーターを着る場合のポイントをご紹介します。
セーターを選ぶ際は、黒、紺、グレーなどの Dark Color を選ぶのが無難です。ニットの編み目は、なるべくシンプルなものを選びましょう。ケーブル編みなど、凝った編み方のセーターは避けた方が良いでしょう。
また、セーターの襟元は、Vネックよりもクルーネックがおすすめです。Vネックの場合、ワイシャツの襟が大きく開いて見えてしまうため、フォーマル感が損なわれてしまう恐れがあります。
セーターのフィット感にも気を付けましょう。ピチピチに合ったものよりも、適度にゆとりのあるサイズ感の方が、品良く見えます。
お葬式に高校生がメイクをする際の注意点
葬儀の場で、高校生の女子がメイクをする場合の注意点をお伝えします。
葬儀でのメイクは、ナチュラルメイクに徹するのがマナーです。アイメイクやリップは、濃い色やパール感のあるものは避けましょう。ベースメイクは、明るすぎないファンデーションを薄く塗る程度にとどめましょう。
眉は、自眉を生かしたナチュラルな印象に仕上げるのがおすすめです。アイブロウペンシルを使う場合は、眉尻を長く引きすぎないよう注意が必要です。
また、お通夜や葬儀の場では、ネイルアートは控えめにしましょう。フレンチネイルなど、ナチュラルなデザインなら問題ありませんが、原色を使ったアートや、ラメやストーンなどの装飾は避けた方が無難です。
お通夜で高校生が履く靴下のマナー
お通夜に参列する際の、高校生の靴下の選び方についてお伝えします。
男子の場合は、黒や紺のソックスを選ぶのが一般的です。ワンポイント程度のデザインなら問題ありませんが、柄物は避けましょう。また、ソックスの丈は、くるぶしが隠れる程度が望ましいです。
女子の場合も、黒や紺のソックスを選ぶのがおすすめです。ニーハイソックスやルーズソックスは、フォーマルな場には適していません。また、ストッキングを着用する場合は、黒や濃い目のブラウンなどを選び、20デニール前後の薄手のものが適しています。
また、葬儀中は正座をすることが多いため、つま先に穴があいていないか事前にチェックしておくと安心です。
高校生の制服がない場合の葬儀の服装
制服の代わりにブレザーを着よう
高校の制服がない場合は、ブレザーを着用するのがおすすめです。
ブレザーは、学生服に次いでフォーマル度の高い服装とされています。紺色のシングルブレザーが最も無難ですが、ダークグレーやブラックでも問題ありません。
ブレザーを着る際は、ボタンの留め方にも気を付けましょう。上着の一番下のボタンは留めずに、上のボタンのみ留めるのがマナーです。また、パンツやスカートの色は、ブレザーに合わせたダークトーンを選ぶようにしましょう。
インナーは、白いワイシャツまたはブラウスを選ぶのが無難です。ネクタイは、ブレザーと同系色の無地のものがおすすめです。蝶ネクタイなどは、フォーマル感が下がるので避けた方が良いでしょう。
喪服の夏はワンピースのみでもマナー違反?
女子高校生の場合、夏の喪服としてワンピース単体での着用に迷う方もいるかもしれません。
基本的には、ワンピースにジャケットを羽織るスタイルが望ましいとされています。単体のワンピースだと、露出が多くなりすぎてしまう恐れがあるためです。
ただし、袖のあるワンピースで、膝下丈のものであれば、ジャケットを着用しなくてもマナー違反にはなりません。ワンピース選びのポイントとしては、黒や紺などのダークカラーで、シンプルなデザインのものを選ぶことです。
そして、ワンピースを着用する際は、素足は避け、必ずストッキングを着用しましょう。ストッキングの色は黒、ヒールの高くないパンプスを合わせるのがおすすめです。
大学生の女性の葬式の服装のポイント
高校生よりもさらに年上の、大学生の女性の葬式服装についてもご紹介します。
大学生ともなれば、ブラックフォーマルを一式揃えておくのが望ましいでしょう。ブラックフォーマルとは、黒のアンサンブルやワンピース、スーツのことを指します。
特に、夏の葬儀に参列する機会が多い場合は、ジャケットを脱いでも品よく見えるブラックワンピースがおすすめです。デザインを選ぶ際は、フリルやレースの装飾が少なめのシンプルなものを選びましょう。
また、ワンピースと共生地のジャケットがセットになったブラックフォーマルもおすすめです。単品でそれぞれ着回しができ、通年使えて便利です。
小物では、パールのネックレスとイヤリングがマナーとされているので、一セット持っておくと安心です。
学生が夏のお通夜に着ていく服装は?
お通夜は、葬儀とは異なり、比較的服装の制約が緩やかです。とはいえ、学生としてのマナーは守っておきたいもの。
男子学生の場合は、ワイシャツにネクタイ、ダークトーンのスラックスという組み合わせが無難でしょう。上着は、ジャケットでなくてもカーディガンなどでもOKです。革靴が望ましいですが、丸みのあるデザインの黒いスニーカーなら、許容される場合もあります。
女子学生の場合は、膝丈のワンピースに、薄手のカーディガンを羽織るスタイルがおすすめです。色はブラック、ネイビー、グレーなど落ち着いた色を選びましょう。アクセサリーはパールのネックレスのみにとどめ、シンプルにまとめるのがポイントです。
いずれの性別でも、香水はつけずに身だしなみを整えることを忘れずに。お通夜では、弔問の受付で、名前や故人との関係を記帳することになります。学生の場合は「○○高校△年△組の○○です」と、学校名を添えるのが礼儀です。
高校生が火葬に参列する時の服装マナー
火葬に参列する際も、葬儀と同じ服装マナーが求められます。
高校生の場合、男女ともに制服での参列が望ましいです。ただし、火葬場への移動がバスなどの場合、車内で熱中症対策が必要になることもあります。その場合は、ジャケットを脱いで構わないでしょう。
また、炉前での最後のお別れの際は、喪主や遺族が焼香を行う順番を見極めることが大切です。自分の順番が来るまでは、静かに待機しましょう。
記帳の際の注意点としては、会葬礼状と一緒に渡される記帳用紙に、「御霊前」「御仏前」などと書かれている場合は、そのまま使用せず、学校で用意してもらった記帳用紙に記入するようにしましょう。
夏の喪服で半袖は失礼?
喪服は、基本的に長袖が原則とされています。しかし、近年の猛暑や熱中症のリスクを考慮し、夏の喪服で半袖を着用することにも一定の理解が広がっています。
とはいえ、半袖の場合はジャケットを羽織るのがマナーです。ノージャケットでの半袖ワンピースや、半袖のワイシャツ単体での着用は、フォーマル感に欠けますし、式場の冷房対策としても不向きです。
レディースであれば、ジャケットを羽織った上で、インナーのワンピースやブラウスを七分袖や五分袖にするのも一案です。その際は、ジャケットの袖口から覗く、インナーの袖丈にも気を配りましょう。
男性の場合は、ジャケットの下のワイシャツを半袖にするのは避けた方が良いでしょう。ワイシャツは長袖を選び、その代わりに吸水速乾性や接触冷感機能のある下着を着用するなどの工夫をするのがおすすめです。
高校生で制服がない場合の喪服の選び方
制服がなく、喪服を新調する必要がある高校生の場合は、以下のポイントを押さえて選びましょう。
- 男子の場合は、ダークスーツ(ブラック、ダークグレー、ダークネイビー)に白ワイシャツ、黒ネクタイ、黒革靴を合わせるのが無難。ジャケットの下に着るベストは、ウールやポリエステルの黒無地がおすすめ。
- 女子の場合は、ワンピースかアンサンブル(ワンピース+ジャケット)がおすすめ。色はブラックを選び、膝下丈で袖のあるデザインが好ましい。アクセサリーは真珠のネックレスとイヤリングのみにする。
- 男女ともに、ブランド品や高価すぎるものは控える。「質素な中にも品がある」というのが喪服選びのポイント。
- レンタル喪服も利用できる。 ネットで注文し自宅に届けてもらえるサービスもあるので、自前の喪服を持っていない場合は検討してみる価値あり。
- 既製服を喪服として購入する場合は、ゆとりのあるサイズを選ぶこと。喪服は長年使えるものなので、多少大きめでも構わない。
- 夏用の喪服素材としては、ブラックフォーマル用の吸水速乾性とUVカット機能を備えた「サマーフォーマル」生地がおすすめ。
高校生の葬儀の服装に関するQ&A
Q. 葬儀に出席する日が授業参観日と重なり、制服を着られない場合はどうしたらいい?
A. 事前に学校に相談し、当日は私服での登校を許可してもらいましょう。男子はダークスーツ、女子はブラックワンピースかアンサンブルで出席します。
Q. 親族の葬儀で、遺影の撮影を頼まれた。制服のまま撮影に臨んでも問題ない?
A. 撮影は基本的に私服が望ましいです。喪服を持っていなければ、前述のようなダークスーツやブラックワンピースに着替えましょう。親族葬の場合、撮影のタイミングは通夜の後など比較的自由になる時間帯もあるので、スケジュール調整を。
Q. 喪服用のバッグがない。あまり堅苦しくないバッグでもいい?
A. 葬儀用のバッグは、ブラックフォーマルに合わせられる黒のフォーマルバッグが理想的。普段使いのカジュアルなバッグは避けましょう。どうしても用意できない場合は、黒や濃紺の無地でシンプルなデザインの布製バッグを選ぶと良いでしょう。
Q. 火葬場が海や山の近くの場合、喪服のままで参列しても大丈夫?
A. 火葬場の立地によっては、ある程度の歩行が必要な場合や天候によっては防寒着が必要な場合もあります。服装の規定は火葬場によって異なるので、喪主や葬儀社に事前に確認を。歩きやすい靴やコートの用意も検討しましょう。
高校生の葬儀の服装マナーのまとめ
高校生が葬儀に参列する際の服装マナーについて、以下のポイントをおさえておきましょう。
まとめ
- 高校生の葬儀での基本の服装は制服である
- 制服がない場合は、ダークスーツや黒ワンピースなど質素なブラックフォーマルを選ぶ
- 夏の葬儀でもジャケットは必須であり、半袖は避ける
- 男子は黒一色のネクタイ、女子は真珠のネックレスとイヤリングのみがマナーである
- 火葬場が海や山の近くの場合は、ロケーションに応じた服装の工夫が必要だ
- メイクは、ナチュラルメイクに徹するのがマナーである
- 靴下は、男女ともに黒や紺のソックスを選ぶ
- 制服の代わりにブレザーを着用するのもおすすめだ
- レンタル喪服を利用するのも一つの選択肢である
- 喪服選びのポイントは、「質素な中にも品がある」ことだ
- わからないことがあれば、学校の先生や親族に相談するのも一つの方法だ
最後に、葬儀に参列するということは、故人を偲び、遺族を支える大切な機会です。服装マナーを守りつつも、故人への感謝の気持ちを込めて、心を込めて参列したいものですね。学生の皆さんにとって、人生の先輩を見送る経験が、かけがえのない学びとなることを願っています。