お墓参りに榊を供えようと思っても、本当に大丈夫なのか迷ってしまうことがありますよね。
実は、お墓に榊を供えるかどうかは、宗教や地域の慣習によって異なります。
神道のお墓であれば榊を供えても問題ありませんが、仏教のお墓では榊はだめで、代わりに樒(しきび)を供えるのが一般的です。
今回は、お墓に榊を供えることの是非や、樒との違いについて詳しく解説していきます。
お墓参りの際に、適切な植物を選べるようになりましょう。
- 神道のお墓なら榊を供えてOK
- 仏教のお墓では榊はダメ、樒を供える
- 榊と樒の見分け方を理解することが大切
- お墓参りでは宗教や地域の慣習を確認しよう
お墓に榊はだめなの?違いを知ろう
しきびと榊の違いは?見分け方と画像解説
お墓参りで榊(さかき)を供えようと思っても、良く似た植物のしきび(樒)と間違えてしまうことがあります。
榊は神道のお墓に、しきびは仏教のお墓に供えるのが一般的です。見分け方のポイントは以下の通りです。
- 榊の葉は硬く平べったい。葉は枝の下から左右交互に並び、同じ方向を向く。緑色が濃く、香りはほとんどない。
- しきびの葉は柔らかく、少し波打った形。葉が枝先に集まるように付き、向きが不揃い。薄い緑色で、独特の強い香りがある。
上の画像のように、葉の形状とつき方の違いを見比べると、しきびと榊の見分けがつきやすくなります。
お墓参りの際は、宗派に合わせて適切な植物を選びましょう。
榊はお墓に供えても大丈夫?
榊は神道のお墓であれば問題なく供えることができます。
古事記や日本書紀にも、神事で榊が用いられていたことが記されています。
また、榊の葉先が鋭く尖っていることから、神の力が宿ると考えられてきました。
お墓に供えることで、亡くなった方の魂を守ってもらえるという意味合いがあります。
ただし、仏教のお墓に榊を供えるのは避けた方が良いでしょう。仏教では、しきびを供えるのが一般的です。
地域や宗派によって慣習が異なる場合もあるので、周囲の方に確認しておくと安心です。
仏壇に榊を供えるのはダメ?
仏壇に榊を供えるのは避けましょう。仏壇はお釈迦様や先祖の魂を祀る場所なので、仏教で用いるしきびを供えるのが適切です。榊は神道で使われる植物なので、仏壇に飾ると宗教的に混乱を招く恐れがあります。
仏壇にお供えする際は、以下の点に注意しましょう。
- しきびを1〜2本、水を入れた花立てに挿して供える
- 地域や宗派によって、生花や果物を併せて供える場合もある
- 榊だけでなく、毒性のある植物や強い香りの花も避ける
根付きのしきみをお墓に植えるのは?
根付きのしきみをお墓に植えることは、昔から行われている風習です。しきみには以下のような効果があると考えられています。
- 強い香りと毒性で、野生動物や虫を寄せ付けない
- 故人の眠りを妨げる悪霊を払う
- 葬儀の際、遺体の臭いを消し悪霊の接近を防ぐ
ただし現代では、お墓の管理規定により植栽が制限されているケースが多くなっています。
また、雑草化したしきみが他のお墓に広がると迷惑になるため、根付きでの植栽は避けた方が無難でしょう。
お墓参りの際に、枝葉をお供えする程度に留めておくのがおすすめです。
お墓参りに適した葉や花を知ろう
お墓に供える葉っぱの名前は?
お墓に供える代表的な葉っぱは、以下の3種類です。
- しきび(樒): 仏教のお墓に用いる。丸みを帯びた葉で、独特の香りがある。
- 榊(さかき): 神道のお墓に用いる。鋭く尖った葉が特徴。
- 柴(しば): 仏教・神道どちらのお墓でも用いられる。「ハナシバ」「ヒサカキ」など、小さな木の総称。
これらの葉は、花と一緒に供えることもできます。ただし、トゲのある植物や、ツルが伸びるタイプのものは避けましょう。他のお墓の迷惑になったり、管理が大変になったりします。葉を選ぶ際は、シンプルで扱いやすいものを選ぶのがおすすめです。
はなしばとはどんな葉?お墓に供えても良い?
はなしばは、しきびの別名で、仏教のお墓に供えるのに適しています。白い小花を咲かせることから、この名前が付けられました。葉は柔らかく丸みを帯びており、濃い緑色をしています。
はなしばは、以下のような特徴があります。
- 常緑樹で、一年中緑の葉を楽しめる
- 乾燥にも強く、枯れにくい
- 独特の香りで、お線香の材料にもなる
ただし、はなしばの実には毒性があるので、子供やペットが口にしないよう注意が必要です。また、強い香りを好まない方もいるので、他のお墓との兼ね合いを考えて、供える量を調整しましょう。
墓参りに適さない花はある?
墓参りには、故人を偲び、供養の心を込めて花を手向けますが、適さない花もあります。以下のような特徴を持つ花は、避けた方が良いでしょう。
- とげのある花(バラなど): 扱いにくく、けがをする恐れがある
- 毒性のある花(彼岸花など): 危険であり、不浄なイメージがある
- 花粉の多い花(キンモクセイなど): お墓が汚れる原因になる
また、仏花として一般的なカーネーションやキクも、品種や色によっては不適切な場合があります。例えば、あまりに派手な色や、花言葉が悪いものは控えめにしましょう。白や紫などの落ち着いた色合いで、清楚なイメージの花を選ぶのがおすすめです。
墓にあげてはいけない花は?
前述の通り、トゲや毒性のある花、花粉の多い花はお墓に供えるのに適しません。具体的には以下のような花は避けましょう。
- バラ: とげがあり、愛情の象徴であるため、墓花としてふさわしくない
- 彼岸花: 毒性が強く、「悲しみ」「独り寂しい愛」などの花言葉を持つ
- キンモクセイ: 強い香りで花粉が多く、虫を寄せ付ける
このほか、ヒガンバナ(死や悲しみを連想)、ケシ(不吉なイメージ)、ツタ類(お墓を覆ってしまう)なども避けた方が良い花です。菊やリンドウのように、古くから仏花として親しまれてきた花を中心に選ぶと失敗が少ないでしょう。
お墓に供えるのに適した植物は?
お墓に供えるのに適した植物は、以下のような特徴を持つものです。
- 花持ちが良く、長く美しい姿を保てる
- 香りが強すぎず、虫を寄せ付けない
- 花色が白や紫など、落ち着いた色合い
- 花言葉が供養のイメージに合う
具体的には、以下のような花や植物がおすすめです。
- 菊: 古くから仏花の代表として親しまれてきた。色は白が基本
- リンドウ: 紫の花が美しく、「永遠の恋」「変わらぬ愛」などの花言葉を持つ
- カーネーション(白): 母の日の贈り物として有名。白は「尊敬」「純粋」の意味
- トルコキキョウ: 初夏から秋まで長く楽しめ、「永遠の幸福」などの花言葉がある
- 松: 常緑樹の代表。「不老長寿」「不屈の精神」を表す
季節の花を取り入れるのも良いですが、必ず significanceや宗教的な意味を確認してから供えるようにしましょう。
Q&Aよくある質問
Q1: 榊としきびの見分け方を教えてください。
A1: 榊は葉が硬く平べったいのに対し、しきびは柔らかく波打った形をしています。また、榊は葉が左右交互に規則正しく並ぶのに対し、しきびは葉が枝先に集中し、向きが不揃いなのが特徴です。
Q2: 根付きのしきみをお墓に植えても良いですか?
A2: 昔は野生動物や虫除けのために植えられていましたが、現在はお墓の管理規定で制限されているケースが多いです。また、雑草化して他のお墓に広がると迷惑になるため、根付きでの植栽は避けましょう。
Q3: 榊と一緒に花を供えるのはダメですか?
A3: 神道のお墓であれば、榊と一緒に季節の花を供えても問題ありません。ただし、トゲのある花や毒性の強い花は避けましょう。榊の意味を考えて、シンプルで清楚な印象の花を選ぶと良いでしょう。
まとめ
お墓参りで榊としきびを間違えないためには、葉の形状や茂り方の違いを確認しましょう。
榊は神道、しきびは仏教のお墓に用いるのが一般的です。また、トゲや毒性のある花、花粉の多い花はお供えを避けた方が無難。
菊やリンドウなど、古くから親しまれてきた仏花を中心に、故人を偲ぶ気持ちを込めて選びたいですね。
お墓参りのマナーを守り、故人に思いを馳せる大切な時間を過ごしましょう。
まとめ
- 榊と樒(しきび)は似ているが、榊は神道、樒は仏教のお墓に供えるのが一般的
- 榊の葉は硬く平べったい。葉は枝の下から左右交互に並び、同じ方向を向く
- 樒の葉は柔らかく、少し波打った形。葉が枝先に集まるように付き、向きが不揃い
- 榊は神道のお墓に供えても問題ないが、仏教のお墓では避けた方が良い
- 仏壇に榊を供えるのは避けるべきだ。仏教ではしきびを供えるのが適切
- 根付きのしきみをお墓に植えることは、現代では管理規定により制限されているケースが多い
- お墓に供える代表的な葉は、しきび、榊、柴の3種類
- はなしばは、しきびの別名で、仏教のお墓に供えるのに適している
- 墓参りには、とげや毒性のある花、花粉の多い花は避けるべき
- バラ、彼岸花、キンモクセイなどの花はお墓に供えるべきではない
- 菊、リンドウ、カーネーション(白)、トルコキキョウ、松などがお墓に供えるのに適した植物
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