法要を営む際、お寺への依頼は欠かせません。しかし、初めて法要を執り行う方にとって、お寺にどのように依頼文を送ればよいのか悩むところです。電話やメールでの連絡の仕方、手紙の書き方など、気を付けるべきポイントは多岐にわたります。
そこで本記事では、法要のお寺への依頼文の書き方や注意点を詳しく解説します。依頼文の例文や、お布施の相場、塔婆の依頼方法など、法要に関する基本的なマナーも併せてご紹介します。
これから初めて法要を営むという方も、スムーズにお寺とのやり取りができるようになるでしょう。法要のお寺への依頼文について、ぜひ参考にしてみてください。
- お寺への法要の依頼は、手紙が最も丁寧だが、電話やメールでも可能である
- 依頼文には法要の日時、場所、参列者の人数などを明記する
- お布施の相場は3万円〜10万円程度だが、事前に住職に相談するのが望ましい
- 法要に関してわからないことがあれば、遠慮なく住職に相談するとよい
お寺へ法要の依頼文を送る際の注意点

お寺に法事を頼む電話をかける際のポイント
お寺に法事を頼む際、まずは電話で連絡を取るのが一般的です。電話をかける際には、以下のポイントに注意しましょう。
- 自分の名前と故人との関係を伝える
- 法事の日時と場所を具体的に伝える
- 僧侶の都合を確認し、日程調整を行う
- お布施の金額について確認する
特に、お布施の金額については事前に確認しておくことが重要です。お寺によって金額が異なる場合があるため、予算に合わせて調整できるよう、早めに相談しておきましょう。
お寺に法事を頼むメールを送る時の注意点
電話だけでなく、メールでお寺に法事の依頼をする方も増えています。メールを送る際は、以下の点に気をつけましょう。
- 件名は「法事のご依頼」など、用件が明確にわかるものにする
- 本文冒頭で自己紹介と法事の概要を簡潔に伝える
- 日時、場所、参列者の人数など、具体的な情報を記載する
- 僧侶への質問やお願いごとがある場合は、箇条書きで明確に伝える
- 丁寧な言葉遣いと適切な敬語を使用する
メールでのやり取りは記録に残るため、電話よりも内容を整理しやすいというメリットがあります。また、お寺の住職も高齢化が進んでおり、メールでのコミュニケーションを好む方も多いようです。状況に応じて、適切な連絡方法を選びましょう。
住職への手紙を書く時の例文とマナー
法事の依頼は、手紙で行うこともできます。特に、菩提寺が遠方にある場合などは、手紙のやり取りが適している場合もあるでしょう。住職への手紙を書く際は、以下の例文を参考にしてください。
[宛名]
[寺院名] [住職名] 御侍史
[本文]
謹啓 [季節の挨拶]
先日は[先の法要名]の法要では大変お世話になりました。
さて、[施主名]の[法要名]を下記の日程で執り行いたく、ご住職様にお願い申し上げます。
記
日時:[日時]
場所:[場所]
[その他連絡事項]
法要につきまして、よろしくお取り計らいくださいますようお願い申し上げます。
敬具
[差出人住所]
[差出人名]
手紙を書く際は、以下のマナーを守りましょう。
- 住職への敬意を表す言葉遣いをする
- 箇条書きではなく、文章で丁寧に依頼内容を伝える
- 紙は清潔なものを使い、鮮明な文字で丁寧に書く
- 一筆箋を使うと、より丁寧な印象を与えられる
お寺にお布施を送る際の手紙の書き方
法事の際は、お寺にお布施を包んで送るのが一般的です。その際、手紙を添えると丁寧でしょう。お布施を送る手紙の書き方は以下の通りです。
[宛名]
[寺院名] [住職名] 御侍史
[本文]
謹啓
[先日/先般]は、[法要名]執り行っていただき、ありがとうございました。
ご住職様のお力添えにより、滞りなく法要を終えることができました。
心より感謝申し上げます。
僅かばかりではございますが、御布施を送らせていただきます。
どうぞお納めください。
敬具
[差出人住所]
[差出人名]
お布施の金額は、地域や宗派によって異なります。一般的には5万円〜10万円程度が多いようですが、事前にお寺に確認しておくとよいでしょう。また、お布施を包む際は、以下の点に注意しましょう。
- 新札を使う
- 水引や不祝儀袋は使わず、白封筒に入れる
- 封筒の表書きは「御布施」とする
法要依頼の際のお寺への適切な表書き
お寺に法要の依頼文を送る際、封筒の表書きは以下のようにするのが一般的です。
[寺院の郵便番号]
[寺院の住所]
[寺院名]
[住職名] 御侍史
この表書きのポイントは以下の通りです。
- 住職の名前の最後に「御侍史」をつける
- 寺院名と住職名は、それぞれ別の行に書く
- 「行」「様」「殿」などの敬称はつけない
表書きを適切に書くことで、お寺への敬意を表すことができます。間違えないよう、注意しましょう。
お寺へのお礼状を送る時の例文
法事を無事に執り行えたら、お寺へのお礼状を送りましょう。お礼状の例文は以下の通りです。
[宛名]
[寺院名] [住職名] 御侍史
[本文]
謹啓
このたびの[法要名]では、格別のお心遣いを賜り、厚く御礼申し上げます。
ご住職様には、お忙しい中、法要の執行をお引き受けいただき、感謝の念に堪えません。
故人も、さぞ喜んでいることと存じます。
今後とも、変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
敬白
[差出人住所]
[差出人名]
お礼状を書く際のポイントは以下の通りです。
- 「謹啓」で始め、「敬白」で締める
- 住職への感謝の意を丁寧に述べる
- 故人への言及を添え、住職の労をねぎらう
- 今後の付き合いについても一言添える
送る時期としては、法要の1週間以内を目安にしましょう。お寺とのお付き合いを大切にする意味でも、お礼状は欠かせません。
お寺への手紙は一筆箋を使うのが望ましい
お寺に法要の依頼文やお礼状を送る際は、一筆箋を使うのが望ましいとされています。一筆箋を使うメリットは以下の通りです。
- 改まった印象を与えられる
- 字数制限があるため、内容を簡潔にまとめられる
- 手書きならではの真心が伝わる
一方で、一筆箋の入手が難しい場合は、便箋を使ってもかまいません。ただし、その場合は以下の点に気をつけましょう。
- なるべく白地で、装飾の少ないシンプルなデザインを選ぶ
- 罫線は縦書き用のものを使う
- 和紙や風合いのある上質紙を選ぶ
一筆箋は100円ショップでも購入できるため、ぜひ用意してみてはいかがでしょうか。丁寧な手紙は、お寺との良好な関係づくりにつながります。
法要のお寺への依頼文に関するQ&A

塔婆の依頼をする際の例文は?
塔婆(とうば)とは、法要の際に故人の冥福を祈るために立てる木製の板のことです。塔婆の依頼は、法要の依頼と同時に行うのが一般的です。依頼の例文は以下の通りです。
上記法要につきまして、塔婆○○本をご用意いただけますと幸いです。
費用は法要当日に御納めさせていただきます。
塔婆の本数は、故人の年齢によって異なります。49歳以下は3本、50歳以上は5本、61歳以上は7本とするのが一般的ですが、宗派によって異なる場合もあります。事前にお寺に確認しておきましょう。
法事の際のお坊さんへのお布施の相場は?
僧侶へのお布施の相場は、以下の通りです。
- 一般的な法事:3万円〜5万円
- 一周忌:5万円〜10万円
- 三回忌:3万円〜5万円
- 七回忌:3万円〜5万円
- 十三回忌:3万円〜5万円
ただし、この金額はあくまで目安です。地域や宗派、寺院の規模などによって異なる場合もあります。また、お布施とは別に、お車代や赠り物などの費用がかかることもあります。事前に、トータルの予算を考えておくとよいでしょう。
お寺へのお布施で適切な金額と不適切な金額は?
お布施の適切な金額は、前述の通り3万円〜10万円程度が目安とされています。ただし、あまりに高額すぎるお布施は、かえって不適切な印象を与えてしまう可能性があります。
また、お布施の金額が少なすぎるのも避けたいところです。お布施が少額だと、僧侶への敬意が足りないと受け取られかねません。
お布施の金額に迷ったら、お寺の住職に相談してみるのもよいでしょう。住職から具体的な金額は言いにくいかもしれませんが、「他の檀家さんは○○円ほどご用意されています」など、目安を教えてもらえる場合があります。
法要のお寺への依頼でよくある質問
Q. 菩提寺が遠方にある場合はどうすればよい?
A. 菩提寺が遠方にある場合は、菩提寺の住職に相談の上、近隣の寺院を紹介してもらうのが一般的です。またはお寺を仲介する業者に依頼する方法もあります。
Q. 法要の日程が合わないと言われたらどうする?
A. 法要の日程が合わないと言われた場合は、住職と相談して日程を調整するのが基本です。どうしても調整がつかない場合は、別の寺院に依頼することも検討しましょう。
Q. 法要の依頼はいつまでにすればよい?
A. 法要の1ヶ月〜2ヶ月前までに依頼するのが望ましいとされています。特に、春秋のお彼岸や盆の時期は法要が集中するため、早めの依頼が必要です。
Q. 法要の前に下見は必要?
A. 法要を行う場所が初めての会場である場合は、事前に下見をしておくと安心です。会場の広さや設備、アクセスなどを確認し、当日のスケジュールをイメージしておきましょう。
お寺へ法要の依頼文を送る時のまとめ
お寺とのやり取りでは、丁寧な言葉遣いを心がけ、僧侶への敬意を忘れないようにしましょう。また、トラブル防止のため、できる限り具体的かつ詳細に依頼内容を伝えることが大切です。
大切な法要が滞りなく執り行われるよう、しっかりと準備を進めていきましょう。
まとめ
- 菩提寺への法事の依頼は電話、メール、手紙が可能だが、手紙が最も丁寧
- お布施の相場は3万円〜10万円程度だが、事前に住職に相談するのが望ましい
- お寺への手紙は一筆箋を使うのが望ましい
- 依頼文には法要の日時、場所、参列者の人数などを明記する
- 塔婆の依頼は法要の依頼と同時に行う
- お礼状は法要後1週間以内に送るのがマナー
- 法要の依頼は1ヶ月〜2ヶ月前までにするのが望ましい
- 手紙の宛名の書き方は「[寺院名] [住職名] 御侍史」とする
- 電話やメールでの依頼の際は、件名や冒頭で用件を明確に伝える
- お布施を送る際は新札を用い、表書きは「御布施」とする
- 法事に関してわからないことがあれば、遠慮なく住職に相談するとよい