寺院トラブル

初めてお寺に法事を頼む電話をする方法

初めてお寺に法事を頼む電話

大切な方を亡くされ、お寺に法事を頼もうとお考えの方も多いのではないでしょうか。

しかし、普段お寺とのお付き合いが少ない方にとって、いざ法事の予約の電話をするとなると、何を話せば良いのか戸惑ってしまうものです。

「お寺に失礼のないように法事を頼む電話の方法が知りたい」
「法事の依頼の電話で伝えるべきことが分からない」

そのようなお悩みをお持ちの方のために、この記事では、お寺に法事を頼む電話のかけ方や、電話で伝えるべき内容、注意点などを詳しく解説します。

法事の依頼の電話は、故人への感謝と尊敬の念を持って、丁寧に行うことが大切です。

円滑に法事の準備を進めるためにも、ぜひ参考にしてみてください。

この記事のポイント

  • お寺に法事の依頼の電話をする際は、できるだけ早めに連絡を入れること
  • 電話では法事の詳細な情報を正確に伝え、お寺とのコミュニケーションを丁寧に取ること
  • 法事の日程が近づいたら、お寺に予約の再確認の連絡を入れること
  • 法事は故人への感謝と尊敬の念を持って、心を込めて臨むことが何より重要であること

お寺に法事を頼む電話のマナーと注意点

初めてお寺に法事を頼む電話

法事の予約は何日前からするべき?

法事の予約は、できるだけ早めに行うことをおすすめします。一般的には、法事の1〜2ヶ月前までには連絡を入れるのが良いでしょう。特に一周忌など大きな法要の場合は、お寺のスケジュールが埋まりやすいため、早め早めの予約が肝心です。

ただし、急に法事を行うことになった場合でも、お寺には柔軟に対応していただけるケースが多いです。まずは一度連絡を入れて、事情を説明し相談してみましょう。お寺側も、できる限り檀家さんのご要望に沿えるよう努めてくださいます。

予約の際は、法要の日時、場所、参列者の人数、ご本尊様やお仏壇の有無など、できるだけ詳細な情報を伝えましょう。曖昧なままだと、後から日程変更などが発生するかもしれません。綿密な打ち合わせが、スムーズな法要の第一歩となります。

法事は事前準備が命です。『早すぎるかな?』と遠慮せず、気になったら早めにご連絡を!

お寺に電話する時間帯は?

お寺に電話をかける際は、朝9時から夕方6時頃までの間が望ましいでしょう。一般的なビジネスアワーと同じ感覚で考えると良いですね。

ただ深夜早朝は避けるべきですが、お寺によっては比較的遅い時間でも対応してくださるところもあります。事前にホームページなどで連絡可能な時間帯を確認しておくと安心です。

もし不安であれば、「お忙しいところ恐れ入りますが、今お話しできますでしょうか」と、まず聞いてみるのもよいでしょう。その上で用件を切り出せば、失礼のないスマートな対応になります。

住職の皆さんも忙しいスケジュールをこなしています。時間帯に配慮することで、スムーズな対応をしてもらえますよ。

お寺への電話で伝えるべき内容

お寺に法事の依頼をする際は、以下の項目を明確に伝えましょう。

  1. 施主(喪主)のお名前
  2. 故人のお名前とご命日
  3. 希望する法要の種類(一周忌、三回忌など)
  4. 法要を行いたい日時
  5. 法要を行う場所(自宅、お寺、斎場など)
  6. 参列予定の人数
  7. ご本尊様やお仏壇の有無
  8. 法要後に会食や引き物を予定しているか
  9. その他、特別な要望があれば

特に故人のお名前とご命日は正確に伝えるようにしてください。過去帳に記載する大切な情報です。また、法要の種類や日時、人数をはっきりと告げることで、お寺側もスムーズにスケジュール調整ができます。

「あいまいな依頼」では、後からトラブルに発展するおそれもあります。漠然とではなく、できる限り具体的に要望を伝えることを心がけましょう。遠慮は無用です。ご先祖様に最大限の敬意を払える法要にするためにも、積極的にコミュニケーションを取ることが大切なのです。

お寺への連絡で最も重要なのは、正確な情報を伝えることです。とくに故人のご命日を間違えないようにしましょうね。

法事の依頼は電話だけでなくメールでも可能

近年は、メールで法事の依頼をすることも一般的になってきました。お寺の公式サイトに問い合わせフォームやメールアドレスが記載されていれば、それを利用するのも良い方法です。

メールのメリットは、時間を選ばずに連絡できる点でしょう。特に昼間は仕事などで電話が難しいという方にとって、メールは便利なツールとなります。

ただしメールの場合、お寺から返信があるまでは予約が確定したことにはなりません。送信したメールにお寺から返答がない場合は、念のため電話で確認を取るようにしましょう。

また、メールには先述した「伝えるべき内容」を漏れなく記載することが重要です。分かりやすく、読みやすい文面を心がけ、依頼内容が正確に伝わるよう注意してくださいね。

一方、お寺との付き合いが長く、よく顔を合わせる間柄であれば、電話やメールだけでなく直接お会いしてお願いするのも良いかもしれません。おまいりの際などに、軽く法事の相談をしてみるのはいかがでしょうか。信頼関係があるからこそできる、アナログな依頼方法です。

便利な時代になりましたね。でも、直接のやり取りならではの安心感もありますから、状況に応じて方法を選びましょう。

一周忌のお寺への連絡方法

一周忌は、故人の死後満1年目に執り行う重要な法要です。一周忌のお寺への依頼は、通常の法事よりもさらに入念に行う必要があります。

まず、一周忌の予約は通常の法事よりも早めに行うのが望ましいでしょう。できれば2〜3ヶ月前までには連絡を入れたいものです。一周忌は参列者も多くなる傾向にあるため、日程調整は早ければ早いほど良いからです。

お寺への連絡の際は、「一周忌の依頼」と明確に伝え、故人のお名前やご命日、戒名なども正確に告げることが大切です。また、法要の場所や参列者の人数、お仏壇の準備の有無など、通常の法事よりもさらに詳しい情報をお寺側に伝えましょう。

加えて、会食や引き出物、花の手配など、一周忌の付随的な事項についてもしっかり打ち合わせておくと良いでしょう。一周忌は法事の中でも特に大切な区切りの儀式です。万全の準備を整えて、故人の冥福をお祈りしましょう。

法事のスケジュール調整で、親族の意見がまとまらない場合はどうしたらいいですか?

こうしたケースでは、まず最も優先されるべきなのは故人のご命日です。可能であれば、命日に近い日時を中心に調整しましょう。それでも難しい場合は、主催者(施主)が代表して日程を決め、親族に丁寧に伝えるのが良い方法です。お寺側にも相談すれば、スケジュールのアドバイスをもらえることもありますよ。

お寺に法事を頼む電話や依頼の例文

初めてお寺に法事を頼む電話

49日法要をお坊さんに頼む方法

49日法要(四十九日法要)は、故人の死後49日目に行う大切な法事です。お坊さんに49日法要を依頼する際は、以下のような流れで連絡を取ると良いでしょう。

  1. まずは菩提寺(お付き合いのあるお寺)に電話をかけ、「49日法要のお願いをしたい」と伝える。
  2. 法要を希望する日時と場所、お経を上げていただく方の人数などを具体的に告げる。
  3. 参列予定の人数や、法要後の会食の有無なども合わせて伝える。
  4. お布施の金額や、お坊さんへのお車代なども事前に確認しておく。

以上が、49日法要をお寺に頼む基本の流れです。

49日法要は故人が極楽往生できるかどうかの大切な節目とされます。読経してくださるお坊さんも、そうした意味合いをしっかりと理解して法要に臨んでくださるはずです。

施主の方は、「故人にとっても、ご遺族にとっても、心のこもった意義深い法要にしたい」という想いを率直に伝えることが大切だと思います。お坊さんとしっかり意思疎通を図り、心を一つにして法要の準備を進めていきましょう。

一周忌をお寺に頼む際の例文

一周忌の依頼は、口頭だけでなく文書で行うケースも少なくありません。その際は、以下のような例文を参考にすると良いでしょう。

○○寺 御住職 様

謹啓 ○○の候 益々ご清祥のこととお喜び申し上げます

さて このたび ○○(故人のお名前)儀 来る○月○日をもって一周忌を迎えます

つきましては 下記の日時にて 一周忌法要を執り行いたく ご住職にご officiate いただきたくお願い申し上げます

まずは取り急ぎ ご連絡まで

敬具

日時:○○○○年○月○日 午前10時より
場所:○○会館
参列予定人数:50名

このように、一周忌法要の趣旨と日時、場所、参列者の概数などを明記します。

「取り急ぎ」とありますように、この文書はあくまで正式なお願いの前の「打診」のようなものです。お寺とのやり取りを通じて、詳細な内容は追ってご相談していく、という意味合いが込められています。

文書を送付した後は、必ず電話か直接お会いする機会を設けて、細かい打ち合わせを行うようにしましょう。一周忌は、故人を偲び、その教えを受け継ぐための大切な儀式です。お寺との綿密な連携なくしては、意義深い法要は執り行えません。通常以上にしっかりとコミュニケーションを取っていくことが肝要です。

法要のお寺への依頼メールの書き方

前述の通り、最近ではメールでお寺に法要を依頼することも一般的になっています。法要の依頼メールを送る際は、以下の点に注意しましょう。

  • 件名は「○○法要のお願い」など、用件が一目で分かるものにする。
  • 本文冒頭で法要の依頼である旨を明記し、法要の種類(一周忌、三回忌など)も記載する。
  • 日時や場所、参列者の人数など、法要に関する具体的な情報を漏れなく盛り込む。
  • 故人のお名前やご命日、施主の連絡先なども忘れずに記入する。
  • 最後に「ご返信お待ちしております」など、返信を促す一文を添える。

以下に、法要の依頼メールの例文をご紹介します。

subject:〇〇〇法要のお願い

〇〇寺 御住職 様

▼▼の▲▲と申します。

この度は、〇〇〇法要のお願いのためメールをお送りさせていただきました。

下記の日時で〇〇法要を執り行いたく存じます。

日時:〇年〇月〇日 午前10時より
場所:〇〇斎場

故人は〇〇〇〇(戒名=〇〇〇)、命日は〇年〇月〇日でございます。
参列者は〇〇名ほどを予定しております。

お坊様のご都合をお伺いできればと存じます。
ご返信いただけますと幸いです。

何卒よろしくお願い申し上げます。

施主:▲▲ ▼▼
住所:○○県○○市○○町○-○-○
電話番号:〇〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇

このように、簡潔ながらも法要に必要な情報は漏れなく記載することが大切です。メールという通信手段の特性を理解し、分かりやすい文章を徒然無く箇条書きします。

もしも1週間以上返信がない場合は、お寺に問い合わせの電話を入れるのも良いでしょう。万が一、メールが届いていなかったり、目に留まっていない可能性もあるためです。返信の有無の確認は、依頼者の義務だと心得ておきましょう。

法事の予約確認や変更の連絡

法事の日程が近づいてきたら、お寺に予約の再確認の連絡を入れるのがマナーです。「〇月〇日午前10時から〇〇寺にて法要を執り行う」など、日時と場所をおさらいしておきましょう。

万が一、法要の日程や場所を変更する場合は、できるだけ早めにお寺に連絡しなければいけません。特に日程変更は、お寺にとっても影響が大きい事案です。「急用ができたので」などと安易な理由で変更を申し入れるのは、絶対にNGだと覚えておきましょう。

「どうしても」変更しなければいけない事情がある場合でも、必ず謝罪の言葉から入ります。突然の変更によりお寺にご迷惑をおかけする旨を十分にお詫びした上で、冷静に事情を説明しましょう。寺院とご遺族の信頼関係が損なわれないよう、言葉遣いに細心の注意が必要になります。

変更の連絡は早ければ早いほど、お寺も対応しやすくなります。ご迷惑をかけないためにも、慎重にスケジュールを組みましょう。

Q&Aよくある質問

Q. 葬儀からの流れで、お寺に49日法要を依頼するタイミング

はありますか?

A. 葬儀が終わり、落ち着かれたタイミングでお寺に連絡するのが良いでしょう。具体的には、葬儀の翌日から1週間以内を目安にすると良いですね。49日法要は葬儀から49日後に行うため、ある程度の時間的な余裕はあります。

ただし、葬儀社によっては、葬儀当日や翌日に49日法要の依頼まで代行してくれるケースもあるようです。葬儀の打ち合わせの際に、「49日法要のお寺への依頼は葬儀社が行ってくれるのか」を確認しておくと安心ですね。

Q. 菩提寺とは別のお寺に法要を頼むことは可能?

A. 菩提寺とは、先祖代々のお墓があるお寺のことを指します。本来は菩提寺に法要を依頼するのが一般的ですが、事情によっては菩提寺以外のお寺に頼むこともできます。

例えば、故人が生前に菩提寺以外のお寺と親交があった場合や、菩提寺が遠方にあって法要の参列が難しい場合などは、菩提寺以外で法要を行うことも選択肢の一つです。

ただし、菩提寺以外で法要を行う場合は、菩提寺にも事前に連絡を入れ、了承を得ておくのがマナーだと覚えておきましょう。

Q. 法事の際のお布施の相場は?

A. 法事の際のお布施の相場は、地域差が大きく、一概には言えません。 ただ、お布施の一般的な相場は以下のような感じです。

  • 一般的な法事(四十九日法要、一周忌、三回忌など):3万円〜5万円
  • 大きな区切りの法事(七回忌、十三回忌、三十三回忌など):5万円〜10万円

ご住職と顔なじみの場合、必要最低限の数万円ほどのお布施にとどめるケースもあるようです。

ただし、「ご祈祷を丁寧にしてもらえるかどうかは、お布施の額で決まる」といった考え方は、絶対にやめましょう。 お布施はあくまで、ご住職の労に報いるための"心付け"だと理解すべきです。

「この程度の金額でよいのだろうか」と迷った時は、菩提寺や葬儀社に相談してみるのも一案です。地域の相場観を把握した上で、ご家族で話し合い、適正な額のお布施を包むようにしましょう。

まとめ

初めてお寺に法事を頼む電話

以上、「お寺に法事を頼む電話のマナーと注意点」についてお伝えしてきました。

法事は、先祖や故人に想いを馳せ、その教えを受け継ぐための大切な儀式です。何よりも故人への感謝と尊敬の念を持って、ご先祖様に最大限の敬意を払える法要にしたいものです。

そのためにも、お寺とのコミュニケーションは丁寧に、かつ緊密に取ることが重要だと覚えておきましょう。

「どのような法事にしたいのか」「いつ、どこで行うのか」といった具体的なビジョンを持つこと。

そしてそれを、正確かつ詳細にお寺側に伝えること。

加えて、お寺とのやり取りはなるべく早め早めに行うこと。

この3点を押さえておけば、滞りなく法要の準備を進めていくことができるはずです。

「故人のためにご先祖のために」という強い想いを胸に、一つひとつ丁寧に取り組んでいきましょう。 「おまいり」を通じてご先祖様とつながる尊い機会。ぜひ、心を込めて臨んでいただければと思います。

まとめ

  • 法事の予約は1〜2ヶ月前までに行うのが望ましい
  • お寺に電話をかける時間帯は朝9時から夕方6時頃までが適切
  • お寺への電話では法要の詳細な情報を正確に伝えることが重要
  • 法事の依頼は電話だけでなくメールでも可能
  • 一周忌の予約は通常の法事よりも早めに行い、詳細な情報を伝える必要がある
  • 49日法要をお坊さんに頼む際は、具体的な日時や場所、参列者数を伝える
  • 一周忌をお寺に頼む際は、文書で依頼することもある
  • 法要の依頼メールでは、必要な情報を漏れなく記載し、返信を促す一文を添える
  • 法事の日程が近づいたら、お寺に予約の再確認の連絡を入れるのがマナー
  • 法事の日程や場所を変更する場合は、できるだけ早めにお寺に連絡する
  • お布施の相場は地域差が大きいが、一般的な法事で3万円〜5万円程度

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